【背景】
背景をどの程度見せるかは写真の大きなテーマだ。メインの被写体の見せ方により、絞り値と焦点距離で表現に合ったボケの程度を作り出すのがテクニックであり、そのとき背景をどうするかが写真を左右する。たとえばメインの被写体と背景が同系色だと、まとまりが良く落ち着いた優しい雰 囲気が作りやすい。逆に「赤と緑」など、反発するような色の組み合わせ(補色同士など)だと、色のコントラストが付いてメリハリが強調され、強い印象を与える。どちらがいいかは被写体や背景の色にもよるので決めつけられないが、被写体や自分の表現に合わせた選択があるはずだ。ぼかす場合は、なるべく背景をシンプルにしたい。もちろん、背景は何でもぼかせばいいというわけではなく、背景をぼかさないのもテクニックの1つ。ある程度後ろの様子を見せることで、メインの被写体が置かれている状況を伝えられる。そうすることで被写体の持ち味を引き出すことも可能だ。
背景色で写真のイメージを作る方法
主役に対し、どのような色を背景に持ってくるかで写真のイメージは大きく変わる。主役と同系色を選べば、写真にある共通したイメージを持たせやすい。逆に、主役と対になるような色を選ぶことで、あたかもボケを利用したかのように主役を浮き立たせられる。結果、コントラストが高くなるので力強い印象にもなりやすい。背景の見せ方を考えるうえでは、ボケ量のコントロールも重要な要素だ。大きなボケは引き算的に使えるが、ならば最初からシンプルな背景を選んだほうがその効果は大きいだろう。なお、菜の花のカットを見ていただければわかるように、背景をあまりぼかさないほうがまわりの状況が見えて、かえって奥行きや広がりが感じられるケースもある。