【デフォルメ】

広角系、特に35mm換算で10mm台の超広角レンズは、遠近感を強く誇張する効果や対象を歪める性質を持っている。こうしたレンズを使うと被写体が変形して表現されるが、これをデフォルメという。ただし、こうしたデフォルメ写真を撮るためには、レンズの使い方にコツが必要である。そのコツとは、デフォルメしようとする被写体にぐっと近寄ることである。こうすることで極端なまでに被写体が変形し、おもしろい表現に仕上がる。あまり寄らずに引いて撮ると被写体は小さくなり、ただ広く撮っただけの写真になってしまうだろう。ちなみにデフォルメ写真を最も手軽に撮れるの は、大きな歪みを持つ魚眼レンズである。犬や猫などの鼻先までレンズを近づけてフレーミングすれば、いわゆる鼻デカ写真が簡単に撮れる。同時に地面のラインも思い切り湾曲させるには、少し上から見下ろすように撮影するといいだろう。