【染料】
染料インクは用紙に染み込みやすく、溶剤や水に溶けやすい特徴を持っている。このためプリント後の用紙表面は水平に保ちやすくなり、そのため高彩度のプリントや高光沢のプリントが可能になる。半面、水に溶けやすいことから屋外の展示などには不向きである。インクジェットプリンタが出はじめの頃は、インクの変質が顕著で、耐候性では実用に耐えないとまで言われたものだ。しかし、その後の改良により、現在では一般的な使用である限り耐候性に大きな不満はなくなった。染料インクを専用紙に使用すれば高輝度側のデータを忠実に再現することが可能なので、銀塩写真と同等か、それ以上に鮮やかなプリントを得られる。また、インク滴をコントロールしやすく、それゆえにプリントスピードが速いという利点もあり、インクジェットプリントがはじめての方にはこのタイプがお勧めだ。ただし染料インクは乾燥する過程で、大なり小なり色味の変化がある。しっかり乾燥させることと、最終的な色味の判断は発色が安定した後にしなければならない。最もポピュラーなA4対応複合機は、その大半が染料プリンタだ。写真印刷に特化した高性能機は顔料が主流になってきたが、その中にあってキヤノンのPIXUS Pro9000 Mark?は貴重な染料プリンタである。染料プリントは高彩度で高コントラストな出力に長けている。色鮮やかでメリハリの効いた写真に向くというわけだ。また一般に、最近の光沢紙は白色度が高いこともあって、顔料プリントに比べて力強いハイライトを描きやすい。
染料プリントの利点
染料インクは用紙に染み込むので、用紙表面の平滑性を保ちやすい。そのため光沢紙にプリントすると、極めてクリアな光沢感を楽しむことができる。昨今のRCベースの光沢紙は進化が進んでおり、かつての印画紙よりもむしろ光沢感は高いかもしれない。