【銀塩写真】
塩(えん)とは酸と塩基の反応によって生じた化合物のことですが、銀塩は銀とハロゲンの化合物であるハロゲン化銀のことをいいます。ヨウ化銀や臭化銀、塩化銀などのハロゲン化銀は感光性があり、粒子状のハロゲン化銀結晶が光を受光すると結晶の一部が鉄原子になり、現像可能な潜像核を形成します。これを現像と呼ばれる化学反応によって銀を増幅し、大きくなった銀以外の部分を取り除くことで写真画像が形成されます。このようにハロゲン化銀を感光させ現像によって像を形成し、写真画像を得るシステムを銀塩写真といいます。銀塩写真は写真の黎明期からもっとも優れた写真の記録方式として永年にわたり親しまれており、ひと昔前までは写其といえば銀塩写真を指していましたが、現在ではデジタルカメラやインジェットプリンターなど、銀塩を使用しない写真システムが普及し、銀塩写真の需要は縮小傾向にあります。