【環境光】
デジタルカメラやパソコンモニターが置かれた位置周辺の光を環境光といいます。デジタルカメラの場合はオートホワイトバランス設定時には被写体に当たる光源の色温度を撮影データから推定してホワイトバランス設定を行いますが、その精度を高めるためカメラボディの一部に環境光センサーを設け、カメラ周辺の環境光の情報を直接取得して、ホワイトバランスの決定に利用しているカメラがあります。この場合、従来は被写体の色調に多少影響を受けていたオートホワイトバランスが、被写体の色調に影響を受けにくくなり、より正しいホワイトバランスが得られる効果が期待できます。またコンピューターの画面表示を行うモニターの場合は、環境光がカラーマネージメントを実行するうえで重要な働きをしています。
一般的には、コンピューターのモニター表示とカラープリントなどの色再現結果を比較検討する際は、環境光下で行う場合が多く、その場合は少なくとも環境光を色評価に適した明るさや演色性をもった光源にする必要があります。具体的には印刷物の色評価を行う場合は、色温度5,000Kまたは6,500K、演色評価数Ra=90以上の光源が必要とされていて、色評価用の蛍光灯がこれに該当します。ただし、色評価を専用の観察ボックスなどで行う場合はこの限りではありません。