【色収差】
レンズの欠点である収差のうちのひとつで、光の波長の違いによって屈折率が異なることから生じる収差を色収差と呼んでいます。色収差には、光の波長ごとにピント位置が前後にずれて色がにじんでしまう軸上色収差と、光の波長によって像の大きさが微妙に異なってしまい、画面周辺部で色ズレを起こす倍率色収差があります。いずれの色収差も、絞りを放り込むことによる改善はありませんが、軸上色収差は放り込むと被写界深度によって日立たなくなる傾向があります。色収差はとくに望遠レンズになるほど目立つため、古くから蛍石や特殊低分散レンズなどを使用してさかんに補正が行われています。また最近は広角レンズでも特殊低分散ガラスを使用して、倍率の色収差を改善した高性能なレンズもあります。